来光メダカの特徴、飼育難易度、固定率、繁殖などについて

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説明

来光メダカ(らいこう)は、広島の日本改良めだか研究所の深川善正氏によって2018年に作出された改良メダカで、朱赤透明鱗ブラックリムメダカの系統名の一つです。正式な品種名は「朱赤透明鱗ブラックリムメダカ」で、形質補足としてヒレ美が付与されています。御来光のイメージから名付けられたこの品種は、頭部の美しい赤色と体側に現れるブラックリムの入った赤黒体色が特徴的で、透明鱗による頬の赤い発色も魅力の一つです。管理番号は種類No.0220、品種No.0205として登録されており、古き良きメダカの魅力を持つ歴史的価値のある品種として、多くの愛好家から愛され続けています。

来光メダカとは

来光は数あるブラックリム形質のメダカの中で、最も朱赤色が鮮やかで真っ赤に近い色になります。また、黒色もまるでオロチのような漆黒になるため、赤と黒がはっきりわかれたとても美しいメダカです。
背地反応ありなので白い容器だと黒色がなくなってしまい、ただの楊貴妃になりますが、黒容器で飼育すると最も赤色が美しいメダカとなります。

来光メダカの固定率

来光メダカの固定率は高くありません。ブラックリムが乗らない個体も産まれてきますし、頭が朱赤で背中が真っ黒になる見事な個体の固定率は1割以下ではないでしょうか。

基本情報と作出背景

来光メダカは、2018年に広島の日本改良めだか研究所の深川善正氏によって作出された改良メダカです。深川氏は改良メダカ界において長年にわたって活動している著名なブリーダーで、数多くの優秀な品種を手がけてきた実績を持っています。来光メダカもその代表作の一つとして位置づけられています。

品種としての正式名称は「朱赤透明鱗ブラックリムメダカ」で、この名前が示すように、朱赤体色、透明鱗、ブラックリムという三つの重要な形質を併せ持つ複合品種です。また、形質補足としてヒレ美も付与されており、ヒレにも美しい色彩が現れることが特徴の一つとなっています。

管理番号については、種類No.0220、品種No.0205として登録されており、改良メダカWEB図鑑においても重要な品種として記録されています。2018年の作出から現在まで、継続的に愛好家の間で飼育・繁殖が続けられており、その品種としての価値と美しさが証明されています。

名前の由来と品種特性

「来光」という名前は、御来光(ごらいこう)のイメージから名付けられました。御来光とは、高い山の頂上などで見る日の出のことを指し、その神々しく美しい光景を表現した言葉です。来光メダカの頭部に現れる鮮やかな赤色が、まさに御来光の美しい輝きを連想させることから、この名前が選ばれたと考えられます。

品種の主要な特性は、朱赤体色を基調としながら、透明鱗とブラックリムという二つの重要な形質を併せ持つ点にあります。朱赤体色は楊貴妃系統の鮮やかな赤色で、特に頭部での発色が美しく、御来光の名前にふさわしい輝きを見せます。

透明鱗の特徴により、エラ蓋部分(頬の部分)が赤く見える現象が現れます。これは透明鱗によりエラ蓋部分の虹色素胞が欠如し、エラが透けて血液の赤色が見えるためです。この頬赤の表現も来光メダカの大きな魅力の一つとなっています。

ブラックリムは、鱗を強調するように黒い柄が発現する特徴で、黒色素胞による黒い柄の発現が均等で、黒が途切れることがありません。この表現により、朱赤の体色に美しいアクセントが加わり、全体として非常に印象的な外観を作り出しています。

来光メダカの魅力と表現

朱赤透明鱗とブラックリムの美しさ

来光メダカの最大の魅力は、朱赤透明鱗とブラックリムが織りなす複雑で美しい表現にあります。朱赤体色は楊貴妃系統の深い朱色で、特に頭部での発色が際立って美しく、御来光の名前にふさわしい神々しい輝きを放ちます。この朱赤は光の当たり方によって表情を変え、時には鮮やかな赤に、時には温かいオレンジ色に見えることがあります。

透明鱗の効果により、体色に透明感が生まれ、より立体的で深みのある美しさを表現します。特に頬赤の表現は、エラ蓋部分の赤い発色として現れ、顔全体に温かい印象を与えます。また、透明鱗はヒレにも色が乗る(ヒレ美)効果があり、各ヒレに美しい色彩が現れることで、メダカ全体の観賞価値を大幅に向上させています。

ブラックリムの表現は、朱赤の体色に美しいコントラストを与える重要な要素です。鱗を強調するように現れる黒い柄は均等で連続性があり、体全体に美しいパターンを描きます。この黒い縁取りにより、朱赤の色彩がより際立ち、全体として非常に洗練された印象を与えます。

頭部の赤と体側のブラックリムの調和

来光メダカの特に美しい特徴の一つは、頭部の鮮やかな赤色と体側に現れるブラックリムの絶妙な調和です。頭部の朱赤は御来光をイメージさせる神々しい美しさを持ち、この部分の発色の強さが品種の品質を決める重要な要素となっています。

体側のブラックリムは、頭部から体後部にかけて連続的に現れ、朱赤の体色を美しく縁取ります。このブラックリムの表現により、メダカの輪郭がはっきりと強調され、より立体的で印象的な外観を作り出します。特に上見での観賞では、この黒い縁取りが朱赤の美しさを際立たせる重要な役割を果たします。

透明鱗による頬赤の表現も、全体の調和において重要な役割を果たします。頭部の朱赤と頬赤が組み合わさることで、顔全体に統一感のある美しい赤色の表現が生まれ、御来光のイメージをより強く印象づけます。

ヒレ美の表現も見逃せないポイントで、各ヒレに現れる美しい色彩が、泳ぐ姿をより優雅で美しいものにします。特に尾ビレでの色の表現は、泳動時の美しさを大幅に向上させる効果があります。

来光メダカの飼育方法

基本的な飼育環境と水質管理

来光メダカの飼育は、基本的には一般的な改良メダカの飼育方法に準じて行うことができます。水温は23~28度の範囲で管理し、特に25~27度を維持することで、美しい朱赤の発色と透明鱗、ブラックリムの表現を最大限に引き出すことができます。急激な温度変化は色の退色や体調不良の原因となるため、安定した温度管理が重要です。

水質については、弱酸性から中性(pH6.5~7.5)の範囲で安定させることが理想的です。朱赤の美しい発色とブラックリムの鮮明な表現を維持するためには、清浄な水質環境が不可欠で、アンモニアと亜硝酸は常にゼロ、硝酸塩は20ppm以下に維持することが推奨されます。

容器選択では、来光メダカの美しさを最大限に引き出すため、黒色の容器を使用することを強くおすすめします。黒い背景により、朱赤の体色とブラックリムの両方が際立ち、コントラストが美しく表現されます。特に頭部の赤色の発色は、黒い背景でより鮮明に観察でき、御来光のイメージを存分に楽しむことができます。

濾過システムについては、水質安定のために適切な濾過装置を導入することが有効です。ただし、強すぎる水流はメダカにストレスを与え、色の表現にも悪影響を及ぼす可能性があるため、流量調整が可能なフィルターを選択することが重要です。

透明鱗とブラックリムを美しく保つコツ

来光メダカの透明鱗とブラックリムを美しく保つためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、照明については高演色のLEDライトを使用し、上方からの照射を基本とします。透明鱗による頬赤の表現やブラックリムの鮮明さは、適切な照明により大幅に向上します。

屋外飼育では、朝夕の柔らかい自然光の下で特に美しい表現を楽しむことができます。ただし、強すぎる直射日光は色の退色を招く可能性があるため、適度な遮光も必要です。すだれや寒冷紗を使用して、光の強さを一日を通じて適切に調整することが重要です。

給餌についても表現の美しさに大きく影響します。高品質な人工飼料を基本とし、色揚げ効果のある餌を適量与えることで、朱赤の発色とブラックリムの鮮明さを促進できます。特にカロテノイドを含む餌は朱赤の発色に効果的で、規則正しい給餌スケジュールを維持することで、美しい表現を長期間保持できます。

水質管理においては、透明度の維持が特に重要です。濁りや汚れは透明鱗の美しさとブラックリムの鮮明さを大幅に損なうため、定期的な水換えと底床の清掃により、常に清澄な水質を保つことが必要です。週に一度程度の部分的な水換えを基本とし、水質テストを定期的に実施することをおすすめします。

来光メダカの繁殖と選別

繁殖方法と固定率について

来光メダカの繁殖は、一般的なメダカの繁殖手順に従って行いますが、複数の形質を持つ品種のため、適切な親魚の選択と継続的な選別が特に重要です。水温を25~28度に設定し、産卵床としてホテイアオイや人工産卵床を用意します。朱赤体色、透明鱗、ブラックリムのすべてを高いレベルで表現する個体を得るためには、優良な親魚の確保が不可欠です。

固定率については、三つの主要な形質(朱赤体色・透明鱗・ブラックリム)をすべて併せ持つ複合品種のため、理想的な表現を持つ個体の出現率は単一形質の品種と比較して低くなる傾向があります。特にブラックリムの表現は個体差が生じやすく、頭部の朱赤の発色強度も親の遺伝的要因に大きく左右されます。

採卵は定期的に行い、卵を別容器に移して孵化させます。稚魚期の管理は特に重要で、適切な水温と栄養管理により、各形質の表現を最大限に引き出すことができます。朱赤の発色は成長とともに濃くなる傾向があり、ブラックリムも若魚期から徐々に鮮明になっていくため、長期的な観察と段階的な選別が必要です。

世代管理においては、詳細な記録を取りながら計画的な交配を行うことが重要です。特に頭部の朱赤の発色が強く、ブラックリムが鮮明で連続性のある個体は種親として大切に管理し、系統の品質向上と特徴の安定化に努めます。

選別のポイントと親魚選択

来光メダカの選別では、まず頭部の朱赤の発色を最優先に評価します。理想的な個体は、頭部全体にわたって鮮やかで深みのある朱赤が発現している個体です。この発色の強さと範囲が、来光メダカの品質を決める最も重要な要素となります。色が薄い個体や、発色にむらがある個体は選別から外します。

ブラックリムの評価では、鱗を縁取る黒い柄の鮮明さと連続性を重視します。理想的な個体は、体全体にわたって均等で連続的なブラックリムが発現している個体です。部分的に途切れている個体や、黒い柄が薄い個体は選別対象から除外します。

透明鱗の評価については、頬赤の表現とヒレ美の発現を確認します。エラ蓋部分の赤い発色が鮮明で、各ヒレに美しい色彩が現れている個体を高く評価します。また、体色の透明感も重要な評価ポイントで、適度な透明感により立体的な美しさを表現している個体を選択します。

親魚選択では、表現の優秀性に加えて繁殖能力と健康状態も重要な要素です。産卵数が多く、孵化率の高い個体を親魚として選ぶことで、より多くの優良個体を得ることができます。また、体型の健全性も重視し、背骨の曲がりや体の歪みがない、健康で均整の取れた個体を選択することが長期的な系統維持の成功につながります。

来光メダカの歴史的価値と入手

古き良きメダカとしての位置づけ

来光メダカは、2018年の作出から数年が経過し、現在では「古き良きメダカ」としての位置づけを持つ品種となっています。改良メダカの世界では、常に新しい品種が生み出され続けており、数年前の品種でも歴史的価値を持つ存在として扱われることが多くなっています。

来光メダカが持つ歴史的価値は、単に古い品種であることだけではなく、朱赤透明鱗ブラックリムという複合的な表現を確立した先駆的な品種である点にあります。この組み合わせは、後の品種改良において重要な基礎となっており、多くの派生品種や類似品種の作出に影響を与えています。

また、作出者である深川善正氏の実績と信頼性も、来光メダカの価値を高める重要な要素です。日本改良めだか研究所として長年にわたって品種改良を続けてきた深川氏の作品として、その品質の高さと系統の安定性が保証されており、多くの愛好家から信頼を得ています。

現在では取り扱う専門店が少なくなってきているという現状もありますが、これは希少性を高める要因ともなっており、来光メダカを維持・繁殖している愛好家の貢献により、貴重な品種として保存されています。

購入時の注意点と類似品種との違い

来光メダカの購入を検討する際は、作出者である深川善正氏の直系血統や、信頼できるブリーダーが管理している系統からの入手をおすすめします。比較的歴史のある品種のため、様々な系統が存在する可能性があり、品種としての純粋性と品質確認が重要です。

購入時の個体選択では、来光メダカの特徴である頭部の朱赤の発色を必ず確認します。御来光のイメージにふさわしい鮮やかで深みのある発色を持つ個体を選択することが重要です。また、ブラックリムの鮮明さと連続性、透明鱗による頬赤の表現も併せて確認し、すべての特徴がバランス良く表現されている個体を選びます。

類似品種との違いを理解することも重要です。最も混同しやすいのは「紅薊(べにあざみ)」で、同じく朱赤透明鱗ブラックリムの特徴を持ちますが、紅薊はヒカリ体型(光体型)であるのに対し、来光は普通種体型である点が大きな違いです。また、作出者と作出年も異なるため、血統的には別系統となります。

その他の朱赤系やブラックリム系の品種との違いは、複合的な形質の組み合わせにあります。単一の特徴を持つ品種と比較して、来光メダカは三つの主要形質を併せ持つため、より複雑で洗練された美しさを表現します。購入時はこれらの違いを理解した上で、自分が求める表現を持つ個体を選択することが重要です。

まとめ
来光メダカは、深川善正氏によって2018年に作出された朱赤透明鱗ブラックリムメダカの系統で、御来光のイメージから名付けられた美しい改良メダカです。頭部の鮮やかな朱赤と体側のブラックリム、透明鱗による頬赤の表現が調和し、御来光の神々しい美しさを彷彿とさせる独特の魅力を持っています。三つの主要形質を併せ持つ複合品種として、改良メダカの中でも特に洗練された美しさを表現しており、古き良きメダカとしての歴史的価値も持っています。飼育は基本的な改良メダカの管理方法で対応できますが、美しい表現を保つためには適切な照明と水質管理が重要です。繁殖においては複数形質を持つ品種特有の注意点がありますが、継続的な選別により理想的な表現を持つ個体を作出することが可能です。現在では取り扱う専門店が少なくなってきているものの、その希少性と美しさから多くの愛好家に愛され続けており、改良メダカの歴史において重要な位置を占める品種として、今後も大切に保存されていくべき貴重な存在といえるでしょう。

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